イースト•ウィンド No.13
世界盲人連合アジア太平洋地域協議会(WBUAP)
公式ニュースレター
2014年2月13号
ホームページをご覧下さい
http://www.wbuap.org
本誌は社会福祉法人日本盲人福祉委員会の助成を受けて作成したものです
目 次
編集部より ・・・・・・・・・・・・2
WBUAP中期総会開催のお知らせ ・・・・・・・・・・・・2
イースト・ウィンドより/ご意見をお聞かせください ・・・・・・・・・・・・3
新着情報/第12回WBUAPマッサージセミナーについて・・・・・・・・・・・・3
平成25年台風第30号近況報告 ・・・・・・・・・・・・4
国際障害者権利条約セミナー/ラオス人民共和国ビェンチャン・・・・・・・・・・5
ミャンマー盲人協会(MNAB)になるまで ・・・・・・・・・・・・7
未来のビジネスリーダー、視覚障害者補助活動に初参加・・・・・・・・・・・・8
インドネシア視覚障害者リーダー育成計画 ・・・・・・・・・・・・9
王立南オーストラリア盲人協会(RSB)職業訓練所130周年を迎える・・・・・・11
池田輝子ICT奨学金事業講習会/人生を変える力 ・・・・・・・・・・・12
連絡先/お問い合わせ ・・・・・・・・・・15
編集部より
イースト・ウィンド編集部より2014年新年のご挨拶を申し上げます。皆様のますますのご発展、ご多幸をお祈り申し上げます。2014年には二つの注目すべきイベントがこの地域で開催されます。5月はタイにて第12回WBUAPマッサージセミナー、そして11月には香港で中期総会が行われます。視覚障害者をめぐる地域活動をより良く知るこの機会に是非ご参加ください。新着情報など、皆様からのご投稿をお待ちしております。今後ともよろしくお願いいたします。
WBUAP中期総会開催のお知らせ
去る11月12日の理事会・政策委員会スカイプ会談にて、香港盲人協会代表チョン・チャンヤウ氏は次回WBUAP中期総会の開催国に香港を提案。同会談にて決定致しました。総会は2014年11月21日から24日まで香港で開催される予定です。参加登録費用など詳細は分り次第お伝えします。過去日本で開催された時と同様になると思われます。
同時開催予定のワークショップの内容は、資金調達/情報通信技術/雇用問題/国連障害者権利条約/青年/女性を中心に行われます。展示会はローテクからハイテクまでの機器が紹介されます。カントリーレポート/代表団確定/資金集めなど、まだまだ先と思われがちですがお早めの準備をお勧めします。
定款について提言/決議案/改正案などございましたら、アイバン・ホー事務局長宛にご一報ください。総会に間に合わせる必要手続き期間の目安は3ヶ月です。
告知/ご招待などに漏れが生じないよう、国家代表者名/肩書き/メールアドレスなど最新の連絡先をこちらにお知らせください。中期総会は、地域ならではの情報交換の場です。視覚障害者が集う素晴らしい機会です[T1] 。
WBUAP事務局長
アイバン・ホー
イースト•ウィンドより/ご意見をお聞かせください
このニュースレターはWBUAP地域のイースト・インド編集部が半年に一度発行しております。情報や内容、お役に立っているかなど、読者の皆様/回りの方々のご意見をどうぞお聞かせください。本誌をより良きものにする為アンケートにご協力ください。
1)イースト・ウインドで楽しみにしている/お気に入りの内容はありますか。
2)興味の無い/好まないトピックはありますか。
3)この先もっと取り入れて欲しいトピックはありますか。
4)世界盲人連合アジア太平洋地域協議会における視覚障害関連情報交換に携わっております。私たち編集部に工夫/改善できることがあればお願いします。
当編集部では皆様のご意見/ご投稿を心待ちにしております。連絡先は本誌最終ページをご覧下さい。よろしくお願いします。
新着情報/第12回WBUAPマッサージセミナーについて
このイベントは2014年5月5日から7日までバンコク(タイ)のゴールデンチューリップ・ソブリン・ホテルで開催されます。アブストラクト募集開始から受付終了まで約40件の応募がありました。
セミナーご登録はこちらから
http://www.wbuapseminar2014.org/
参加登録費は代表1名280米ドル、介助者1名230米ドルです。費用には全日の昼食、休憩のコーヒー代(5日から7日)、初日の歓迎会(5日)、最終日の送別会(7日)、視察(7日)、空港送迎(4日から8日)などが含まれます。ウェブでの申し込み締め切りは2014年3月31日です。
お問い合わせはこちらへどうぞ
タイ盲人協会(TAB)ヤオワラク秘書官
Ms Yaowalak
メールアドレス
12thwbuap@gmail.com
2013年台風第30号近況報告
フィリピン視覚障害者支援団体
ランディ•ワイザー
直撃した地域も含め、私たち団体一同はおかげさまで全員無事でした。しかしながら悲しい事にたくさんの市町が深刻な被害を受けました。ようやくスタッフを被災地へ送り始めているところです。大型台風30号の被害にあった教育機関は約90件、その中の350人が私たちが直接支援提供している視覚障害児です。全施設を視察するまでには時間がかかりそうです。
住居や学校の崩壊とともに非常に困難な状況に置かれてしまった視覚障害児家庭もあります。
初期に必要とされる救急支援手の配から始めておりますが、今後団体に期待されるのは住宅再建や特別支援教育(SPED)センターの復興です。SPEDセンターの教材や支援機器の再手配は国の援助を期待できないので、私たちで頑張りたいと思います。視覚障害児であっても皆と一緒に教育の場に戻れるよう、修復や取り替えに取り組みます。
視覚障害児と家族の生活や、SPEDセンターの復興支援を提供していただける団体などをご存知でしたら下記の支援金寄付受付サイトをご利用ください。通貨はペソ(peso)、支援はTyphoon Relief Aid(台風30号復興支援)とご指定下さい。
http://www.blind.org.ph
短期的な物質支援から長期的な教育復興まで。私たちの出来る限りの支援活動は被害にあった全ての子供達と先生、家族などの大きな希望になるでしょう。2007年台風23号時に支出した復興金を参考にすると、今回は1校あたり、教材/支援機器に約8000米ドル、住宅修理/再建に約3400米ドルが必要と予測されます。
皆様のお力添え、日々の祈りに感謝しています。
国連障害者権利条約セミナー/ラオス人民共和国ビェンチャン
2013年9日から10日
ラオス盲人協会(LAB)現地プロジェクトコーディネータ/アドバイザー
プラティヤ•ウィマンラ
背景
ラオス人民共和国は、四方を隣国で囲まれた東南アジアの国。北にミャンマー/中国/ベトナム、西にタイ王国、東にベトナム、南にはカンボジアがある。ラオス人民共和国が国連障害者権利条約に署名したのは2008年1月15日、2009年9月25日に批准となった。その後ラオス人民共和国政府は、インクルーシブ教育に関する国家政策指針(NPIE)や戦略・行動計画(NS&AP)などを取り始めた。
2013年にはラオス盲人協会、ラオス障害者協会、タイ盲人協会、ベトナム盲人協会がUNCRPDセミナーを共催。視覚障害者の権利・利益保護を政府に認識させるのを目的とした。2013年6月9日と10日、ヴァンサナ・リバーサイドホテルにてセミナーを実施。情報部文化観光省、内務省、教育/スポーツ省、労働社会福祉省などの政府機関から48名が参加する。ラオスメディアからも代表者が参加した。
1日目
セミナーはタイ盲人協会副会長モンティアン・ブンタン上院議員の講演から始まった。内容は、権利条約の概要、国連障害者人権委員会の組織体制/役割と責務について。次にベトナム盲人協会を代表しジン・ベト・アイン氏が視覚障害/その他の障害者を視野に入れたベトナム政府障害者施策を説明。ラオス情報文化観光省を代表し、ヴァイヨリン氏が、ラオス・メディア、印刷/ラジオ/テレビ/ITなどの現状を報告。 障害者の情報アクセス改善を国家政策機関へ提示すべきと述べる。
モンティアン上院議員は、視覚障害者や聴覚障害者向け情報配布として、新聞/出版物の内容をラジオ放送/音声解説放送/字幕サービス促進を提案。ここでラオス盲人協会副会長シーパイ・ケムサントン氏は、ラオス情報文化観光省代表ヴァイヨリン氏に、視覚障害者向けラジオ放送の無料配信の可能性を問う。ヴァイヨリン氏はラオス盲人協会からの正式提案を、政府機関へ提出するよう勧める。モンティアン上院議員はタイ国内視覚障害者向けラジオ放送の具体例を幾つか示した。
ヌアンタ氏はラオス障害者協会の概要と、ラオス人民共和国内プロジェクトについて発表。ラオス人民共和国の障害者の権利、社会支援、事故被害者のリハビリテーション、職業訓練、雇用投資対策、インクルーシブ教育、生産活動の研修、医療リハビリテーション、障害者スポーツなどを取り上げた。
2日目
2日目のモンティアン上院議員のスピーチは、タイ国内の視覚障害児教育の歴史と近年のインクルーシブ教育推進について。タイでの障害者関連法、学費無料化や支援機器提供などの障害児就学援助制度を参加者に説明。抱える課題として、アクセシブルな教科書の不足、移動手段、歩行訓練、就学後の雇用対策を上げた。
ラオス・インクルーシブ教育センター所長、リ・ヤン・シア女史は、インクルーシブ教育に関する国家政策指針(NPIE)や戦略・行動計画(NS&AP)などについて講演。近年のラオス政府が女性、少数民族、障害者を対象としたインクルーシブ教育政策的取り組みを発表。リ・ヤン・シア女史 はラオス人民共和国 の教育改革第一期は2008年に始まり、現在は第二期進行中と説明。物理的なアクセシビリティーの改善は教育/スポーツ省の建物を筆頭に、最近の教育施設/職場に見られるようになった。新法案にてインクルーシブ教育促進を阻害している要因/問題点は今後解決されていく見込みである。ラオス全土の教育施設の内12%に障害者インクルーシブ教育を支援/提供すると法案にある。
学校でのテストで問題を読むために与えられた時間は視覚障害学生に限り延長。インクルーシブ教育の効果を期待するには、障害者の家庭の積極的な取り組み/参加が必要とされている。成績優秀な障害学生には、経済的援助が必要な場合の奨学金制度も予定されている。
2日間に及ぶ国連障害者権利条約セミナーは、興味深い情報提供の場、そして参加者が経験から習得した事を分かち合い/学ぶ機会として、成果を上げ効率良く進んだ。 最終の全体会が終わる前、新しい情報を常に身に付ける為にもこういったセミナーにまた参加したいと意見が出た。ラオス・メディアはこのセミナーの様子を全国に放送した。
ミャンマー盲人協会(MNAB)会長になるまで
2013年5月27日の総会選挙で、アウン・コー・ミン氏はミャンマー盲人協会(MNAB)会長と任命された。彼は4人兄弟の2人目。生まれつき強い光か鮮明な色しか見えない。社会福祉省の管理下にあるチンミンダイン盲学校卒業後、母親が教師を勤める一般の中学校へ進学。当時父親は保険会社員だった。その後アウンコー・ミン氏はミャンマー・キリスト教盲人友好会に進み高等単位を習得、大学院へと進み哲学を専攻したが、卒業後の就職活動で壁に当たる。
ある日の家族との会話が自分の道を開くきっかけとなった。「不自由な目でどのような仕事につくつもりだ?働くという情熱がどうしてもあるのなら、たとえば盲学校で教えたらどうだ?」
昔からカメラと写真の仕組みが不思議で、興味があった彼はさっそく近所の写真家を訪ね、親しくなった。写真は暗室で現像をすると聞いたとたんアウン・コー氏は喜びに叫ぶ。「閃めいた!」カメラマンは友が何を意図していたのか最初は理解できず、ただ驚いた。1週間後、友情は更にビジネスパートナーへと発展、2人でアウン・コー氏宅に写真屋を開業。家族は盲人である彼が、しっかり仕事の役割分担しているのを見て驚いた。友達は写真を撮り、自分は現像に専任した。
彼はその後1998年、タイで開催されるWBUAP主催のリーダー育成事業に研修員として選ばれ、修了。能力の信頼を更に高めた彼は、両親の会社(アジア・スター・ルビー/児童学習能力開発センター)の業務に関わるようになる。日本では2000年から2001年にかけて第2回ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業に参加。更に神学(キリスト教神学校)、日本語(外国語大学)、福祉総合学(ヤンゴン大学)の学位を修得する。
社会開発分野で活躍し、2007年から2010年の間、財団法人国際開発高等教育機構(FASID)にてコーディネーターを勤める。2011年からはミャンマー自立生活推進会の代表を勤め、現在に至る。アウン・コー氏はミャンマー盲人協会設立に直接関り、1996年当時からのメンバーである。協会は2000年に氏を執行役員、更に2004年度総会では事務局長に任命する。能力と知識の全てを傾け、アウン・コー氏は2004年から2013年にわたって、事務局長としての役割を果たした。
2013年5月26日と27日、セントラル•ホテル(ヤンゴン)にて第9回ミャンマー盲人協会総会が開催された。その執行役員選挙会議でアウン・コー•ミン氏は見事満場一致で選ばれ、2013年から2017年の会長任務決定となった。氏は現在既に、ミャンマーの視覚障害者分野の開発プログラム導入に向けての国際パートナーシップ構築を成し遂げている。
未来のビジネスリーダー、視覚障害者介助に初参加
南オーストラリア盲人協会(RSB)
2013年9月、南オーストラリア盲人協会は、視覚障害者歩行訓練指導員のもと、国内外の未来のビジネスリーダー向けに視覚障害者介助体験会を開いた。招待されたのは、フリンダース大学10週間プログラムで障害分野の知識を深めるために来豪していた学生達。盲人協会イン・ビジネス若手指導者(YBL)11名とAusAid(オーストラリア国際開発庁)オーストラリア奨学生16名が参加した。カンボジア、インドネシア、モンゴル、ベトナムの国々で障害者関連政策に将来直接関わる若者達である。
フリンダース大学と盲人協会の交流は深い。AusAidオーストラリア奨学生16名は前年11月、盲人協会の視覚障害者介助に初参加を果たしている。ヘザー・マッカロク(YBLコーディネーター)は、前年の成功/実績が今回再び体験会を実現させる事に繋がったのだと発言。
「イン・ビジネス若手指導者とAusAidオーストラリア奨学生は、盲人協会視覚障害者歩行訓練士と学び、視覚障害者サービスの理解を深めることができたと思います。視覚障害者の介助を学び、指導のもと実際体験できました。視覚障害者である日々のチャレンジを考えさせられた大変有意義な機会となりました。」
南オーストラリア盲人協会のイン・ビジネス若手指導者(YBL)プログラム、その他活動内容についてはお電話、またはホームページをご覧下さい。
電話
618-8417-5555
ホームページ
http://www.rsb.org.au
インドネシア視覚障害者リーダー育成計画
インドネシア盲人連合第三副会長
アリア•インドラワティ
2013年10月29と30日、インドネシア盲人連合主催、視覚障害学生会議が行われた。全国12の地域から40名の視覚障害大学生が参加。テーマは国内/地域/世界レベルにおける障害者運動の積極的参加を視覚障害大学生に促し、将来インドネシアの視覚障害者リーダーとなるべく意識を持たせる事。日本財団助成による国際視覚障害者教育会議(ICEVI)を通じた高等教育プロジェクトである。
初日はそうそうたる3名の方のスピーチからスタート。インドネシア盲人連合会長ディディ・タルシディ氏、ICEVI名誉会長/ICEVI高等教育プロジェクト責任者ラリー・キャンベル氏、そしてインドネシア共和国青年スポーツ省代表のサヒヤン・アスマラ氏を迎えた。
2006年から、日本財団支援のもと、インドネシア盲人連合とICEVIはインドネシアの視覚障害学生の高等学校就学を促進してきた。視覚障害のある学生の高等教育を実現化するプロジェクトである。大学内やリソースセンター方式で、学生支援センターを設ける草の根活動から開始。更にプロジェクト政策立案までインドネシア盲人連合は関わっている。
インドネシア盲人連合は今までインドネシア共和国教育省と共に活動したが昨年からは大学の代表者とも協力して、インクルーシブ高等教育の省令の草案と、どのようにインクルーシブな大学をを進めていくかというガイドラインの作成に取り組んでいる。インドネシア盲人連合指導のもと、インクルーシブ高等教育を取り入れる大学が増えていっていることは、他の大学にも影響を与え、インクルージブ高等教育に取り組む大学の数は増加している。この7年間の努力で高等教育へ進む学生は30パーセントも増したとインドネシア盲人連合は発表。ICEVIと繋がることでインドネシア盲人連合はより効果的に自国の青年育成、現在のリーダーに続いて視覚障害分野に貢献できる人材を養成できると考えている。
小・中学校の教育はもちろんのこと、インドネシアに視覚障害者をリーダーとして育てる戦略として、高等教育は大切である。視覚障害者はもっと高等教育を受けられるべきであり、もちろん受け入れる大学側の構造化された組織的なサポートを必要とする。以前は全くといってよいほど視覚障害者を対象とした高等教育システムはインドネシアに存在しなかった。視覚に障害があると高等教育は困難でストレスを強いられるのである。実際卒業できるのは僅かであり、多くが中途退学している。
インドネシア盲人連合は、テクノロジーの導入で高等教育の道を開けると考える。技術の力で自力での調査/研究/論文作成が可能になっているのだ。たとえ視覚障害者であっても、全ての大学が社会的/物理的に彼らを迎え入れられる体制であるべきとインドネシア盲人連合は説く。在学視覚障害大学生に関係者として直接、インクルーシブ高等教育問題に関わって欲しい、そういった信念からこの視覚障害学生会議を開催。インドネシア各地の視覚障害大学生を招待した。
2日間で会議は5回開かれた。
まずは情報関連。世界/地域/国家それぞれのレベルから見た最近の障害者運動について報告したのはラリー・キャンベル氏、アーント・ホルテWBU会長、ディディ・タルシディ氏。現在活躍中の視覚障害リーダーから学び、積極的に参加していく事を進める。特にアーント・ホルテ会長やディディ・タルシディ氏は[T2] 大先輩。参加者の良い刺激となり、向上心を促す役目でもあった。
第2の会議は体験談。大学を卒業した視覚障害学生によるスピーチを聞く。
第3は権利条約関連のケーススタディ。参加者はグループに分かれ、権利条約関連事項やインドネシアでの視覚障害者に対する差別経験をトピックに話し合う。
第4は医療セラピー/癒し関連。催眠療法を取り入れ、未来のリーダーになるべく技術や考え方を開発。精神的否定からの解放、自由な心、夢を意識して追う事の大切さと術を知る。
最後に振り返り/意見発表会。フェイスブックなどを使って繋がりを広げると宣言。インドネシア盲人連合とインクルーシブ教育促進に参加意思表示。
実りのあるスタートをきったと言えるでしょう。
王立南オーストラリア盲人協会(RSB)職業訓練所130周年を迎える
小規模に始まった王立盲人協会(RSB)職業訓練所が来年で130周年を迎える。本当に視覚障害者が必要としているのはなにか、それは当事者になって初めて分る。アンドリュー・ホワイト・ヘンドリー氏が1884年に設立した視覚障害者職業訓練所は、今や21世紀最大規模のRSB施設に成長した。
RSB職業訓練所では現在、南オーストラリアの視覚障害者70名に持続可能な雇用を提供している。近年では組み立て/梱包の品質や配達の効率の良さに定評がある。RSB職業訓練所のマーク・バーレー所長は人材こそが商売の一番の財産であり、重点項目と言う。
所長は「RSB職業訓練所の成功はサービスの多様性と確かな品質によるもの」と言っている。その成功はさらなる利益を生み出した。就職困難な視覚障害者に長期持続可能な職場を提供、しかもオーストラリア内最高基準の賃金を給付している。
クォン・ドンはRSB職業訓練所従業員。加齢黄班変性症である彼は語る。「作業は様々で楽しい。食品の梱包から南京錠の組み立てまでやっている。つい先週はキッチンシンクを組み立てたしブリスター梱包も。ここにいる人が好きだしチームの一員であるのが喜び。」
「とにかくここで働いているのが幸せ。他に言いようが無い。働きがいがある。給料をもらいながらRSBに貢献しているような満足感がある。」
詳しくはRSB Industrial Salesのホームページを参照ください。
http://www.rsb.org.au
池田輝子ICT奨学金事業講習会/人生を変える力
アジア太平洋地域の視覚障害者の地位を高め支援する池田輝子ICT奨学金事業講習会は、日本点字図書館(JBL)が年に1度、池田輝子さんのご厚意により寄託された資金を財源に主催している。過去10年に渡り18ヵ国111名の参加者を誇る池田輝子ICT奨学金事業講習会。田中徹二JBL理事長はその実績に手応えを感じている。
講習生にはノート型パソコン、画面読み上げ用ソフトJAWSとNVDA、交通費から生活費まで池田輝子さんのご厚意によって与えられた。2004年から2008年は、参加者がコンピュータ初心者である事を前提とした講習会が開かれ、Windowsの基礎知識修得を主な内容とした。書類の作成、電子メールやインターネットの使い方などコンピュータの基本を学ぶ研修コースである。
2009年から2012年に中級コースが2種導入される。 講習会初参加者もいるが、以前から講習を受け、経験を積んだ研修生は多い。中級コースではブログ作成、Excelや検索機能の使い方も学べる。
2010年からJBLは、日々進化していくICTに対応出来るようにと上級コースも導入。上級はプログラミング、ホームページ作成、オーディオ編集やストリームラジオ関連知識といった内容である。
決して簡単なコースでは無いが、参加者は皆、時間と努力を惜しまずに情熱をもって取り組んだ。自国に帰り、更に上級のプログラミングへと進んでいったた者もいる。
視覚障害者の生活向上に優れた貢献をしている池田輝子奨学金事業講習会は、資金を絶やさず、この先も継続させて行くべきと田中JBL理事長は語る。「講習会からリーダーへと成長し、各国・地域で活躍する人材が育つ事を願っています。 モンゴル盲人連盟ゲレル・ドンドウ会長や、ベトナム盲人協会女性委員会ディン・ヴェト・アイン委員長の例に続いて欲しいです。」
「ウォン・ヨン・ルン氏、クリスティアナ•アン・ラウ女史、デビッド・ハザウェー氏、アミール•テー氏、リア•アルシア•ガンタリリブ女史、ファンディ・ダウェナン氏、アリス・ヨハネス氏、そしてセント・ニコラス•ホームで働く皆様。日本点字図書館(JBL)はここでイケダ・テルコICT実習担当者と、各コーディネーターに感謝の気持ちを申し上げます。」
ベトナム盲人協会盲人機能回復訓練センターのディン・ヴェト・アイン講師は2004年に、第一回池田輝子ICT奨学金事業講習会に参加した。2009年には中級、そして2013年は上級コース。彼女はこのようなICT技術修得の機会に何度も恵まれるとは夢にも思っていなかった。この研修会によって彼女はベトナム各地で視覚障害者にコンピューターの使い方を教えることができた。更に教材作成/資料の編集/同僚とセミナーの企画等、彼女は修得した事を生かす積極的な活動を続けている。ICT講習会は仕事や学習の効率を上げ、精力的な盲人協会の活動参加を彼女に授けた。
フィリピンのジュリアス・チャールス•セラノ氏は2006年、マレーシアと日本で池田輝子ICT奨学金事業講習会に参加し、貴重なコンピュータ基本操作を修得した。同時に効率的な教育指導法も講師から学んだり、他の参加者を通してアジアの多様な文化の美しさを知る機会となったと語っている。受講後の活動や達成項目は全てICT奨学金事業講習会と何らかの繋がりがあった。複数の会社から請け負ったウェブ・コンテンツ作成の仕事は、受講時与えられたパソコンを使用。マレーシアやニュージーランドで開催されたICT関連のセミナー/研修会でも奨学金事業講習会で得た社交性とコミュニケーション能力と与えられたパソコンを大いに活用できた。
2012年には池田輝子講習会仲間のミニー・アブリーヌ・ワン女史と池田輝子ICTグループのホームページを設立(http://www.terukoikedaict.org参照)。優れたプロジェクトを実現してくれた関係者全てへの感謝の気持ちでした。
現在セラノ氏はニュージーランドに拠点を持つオープン・ソース会社、カタリストITでアクセシビリティの専門家として勤めている。多々なる機会や恩恵のもとに、現在過去を通じ講習会に関わった人々が常にコミュニケーションを取っている喜ばしい状況です。
フィジー在住ラニエタ・トゥインバウ女史は2006年、ペナン(マレーシア)の池田輝子ICT奨学金事業講習会に選ばれ、それは彼女にとって千載一隅の好機となった。講習会でJAWS画面読み上げソフトを学び、ITCスキルのレベルアップを成し遂げる事が出来た。帰国後は講習会で得た知識とPCを活用し、2009年にフィジー経済経営者連盟(FCEF)総務補助役員兼会員コーディネーターとなり現在に至る。リーダーの一員となった彼女の肩書きは更にフィジー盲人協会会長、フィジー障害者連盟財務副理事長、太平洋障害フォーラム理事、女性委員会委員等。必要不可欠な各種電子ファイルのやりとりにPCは今も役立っている。
講習会の恩賞を受け、南太平洋大学にて経営管理運営資格4級を修得。現在は同大学でリーダーシップ/統治/人権擁護について学んでいる。未来を切り開くため更に資格を習得中である。
JBL講習会コーディネータ/マネジャーのクリスティアン・アン•ラ女史は語る。「毎年研修生を迎え、彼らがICT知識/技術を身につけ成長する姿を見るのを喜ばしく思います。講習会での能力強化は各国で生かされています。」その後の発展/活躍を見つめ、時には共に他の国際プロジェクトで協力しあう機会に恵まれる彼女は、それぞれ全ての研修生を誇りに思っていると言う。
講習会を終えた研修生達は更にICT技術を磨き、自国にとどまらず他国の人々にも積極的に貢献、ICT技術を通じて社会生活の向上へと導くリーダーとなる事が池田輝子ICT奨学金事業のビジョンと自覚をしている。池田輝子ICT奨学金事業を実施可能にしている全ての関係者への感謝は深く、ありがたさを忘れる事は無いでしょう。
連絡先/お問い合わせ
イースト•ウインド編集長
Mr Wong Yoon Loong(マレーシア)
National Council for the Blind,
94B Jalan Tun Sambanthan Brickfields
50470
メールアドレス
wongyl@pd.jaring.my
Dr Issavara Sirirungruang(タイ)
111 Moo 6, Phuttamonthon 4 Road
Salaya, Nakhon
メールアドレス
isvrss@gmail.com
issavara.sir@mahidol.ac.th
Ms Helen Freris(オーストラリア)
℅ International Social Service
Level
メールアドレス
hfreris@tpg.com.au
Ms Diana Swanson(南オーストラリア州)
The Royal Society for the Blind of
Knapman House
メールアドレス
dswanson@rsb.org.au